2014年8月18日月曜日

緩和ケアが主体となる時期のがんのリハビリテーション

がん患者に対するリハビリテーションは,機能改善だけを目指すのでも周術期だけに行われるものでもない.本書では進行期・終末期のがんリハに焦点をあて,がん医療や緩和ケアにかかわる専門職として必要なこと,終末期に大切にすべきことなど,臨床に役立つことを多職種の視点からまとめた.進行期や終末期を迎えたがん患者や家族がどう生きようとしているのかを考え,その“生き抜く"を支えるために必読の一冊.

・進行期・終末期に特化したがんのリハビリテーションの本
・最前線で進行期・終末期を迎えたがん患者・家族と向き合う多くの職種が力を合わせて執筆
・現場で頻繁に遭遇し,その対応に苦慮する進行期・終末期のがん患者のリハビリテーションをすぐに実践できる
・最期まで生き抜く患者・家族に寄り添うためにリハと看護の両視点から執筆
・最低限の知識をかいつまんで押さえることができる
・臨床で使えるリハビリテーションの知識・技術のポイントをまとめた




緩和ケアが主体となる時期のがんのリハビリテーションを学習するのに好適な入門書

がん看護 Vol.18 No.6(2013年10-11月号) BOOKより

書評者:木澤義之(神戸大学大学院医学研究科先端緩和医療学分野/特命教授)

本書は,進行期のがん患者さんに対するリハビリテーションに関する実践的な本です.がんリハビリテーションというと,周術期や骨髄移植患者さんの社会復帰をめざした介入に関する手引書は今までもみられましたが,緩和ケアが主体となる時期,終末期に焦点を当てた本はほかに類を見ません.リハビリテーションには機能訓練や筋力増強の印象も強いかもしれませんが,そもそもは「再び適した(=自分らしい)状態になること」であり,この時期の患者さんに向き合う1つのキーワードともいえるでしょう.
  この本には,治癒がむずかしく,生命の危機に直面した患者さんとそのご家族をリハビリテーションの視点からどう支えるかについて,理念から実際まで,コミュニケーションから専門的なスキル,地域連携にいたるまで詳しく書かれています.また,バーンアウトしないための医療者自身のストレスマネジメントにも言及されています.執筆者を拝見いたしますと,実際に緩和ケアの現場で患者さんの診療・ケアにあたっている方々が担当しており,まさにかゆいところに手が届き,かつ簡潔な内容となっています.
  進行期のがん患者さんは,日常の生活や自由に行動できる範囲が徐々に狭くなり,喪失を繰り返していきます.そのような環境でも,しなやかに,たおやかに生きることを支援し,自律とコントロール感を多職腫チームで支えていくことこそ,本書の根底に流れる思想であることを一読して感じました.
  リハビリテーション専門職だけではなく,あらゆる医療者,とりわけ,がん医療や緩和ケアに携わる看護師にとって,緩和ケアが主体となる時期のがんのリハビリテーションを学習するのに好適な入門書であるということができると思います.この本の読者によって,緩和ケアにおけるリハビリテーションがさらに普及し.少しでも患者さんのしなやかな生を支えることができれば,と考えています.

悩むことの多かった進行がん、末期がんの人へのリハビリテーション。緩和ケアチームや病棟で何から始めたら良いのか悩んでいました。

今までこの時期のがんのリハビリテーションについて詳しく書かれた本がなかったので、とても勉強になりました!

内容もとても読みやすくてわかりやすいし、臨床ですぐに役立つ内容も多かったです。

リハビリの専門職種だけでなく、医師や看護師、若いスタッフにも読みやすい感じなのでお勧めです!

編集・執筆されている方もがんリハで有名な先生が多く、このメンバーで書かれているのがすごいと思いました。


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